公的年金は、老後生活の重要な柱。しかし、自分がどのくらいの年金額を受給できるかを把握している人は少ないです。
年金制度が複雑であるため、正確な金額の算定が難しいのは事実です。しかし、おおよその金額を見積もることはできます。
自営業者だった場合 | 老齢基礎年金 |
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サラリーマンだった期間がある場合 | 老齢基礎年金 + 老齢厚生年金 |
年金額 = 780,100万円 × 保険料を納付した月数 / 480
自営業者が、自ら保険料を納付した期間だけでなく、サラリーマンとして厚生年金保険料を納付した期間、第3号被保険者に該当していた期間も、保険料を納付した月数にカウントされます。
保険料の免除を受けた期間も、一部が保険料を納付した月数にカウントされます。
年金額 = 平均標準報酬額 × 給付乗率 × サラリーマン期間(月数)
平均標準報酬額は、新入社員のときからの平均であり、また、620,000円の上限が設定されているので、感覚より少なくなるケースが多いです。
また、平成15年3月以前は、給付乗率が高い反面、ボーナスが反映されません。ボーナスの大きい会社に勤めていた場合、年金計算上は不利になります。
さらに、今後の年金制度改正で給付が削られる可能性もあります。
給付乗率は、5/1000 程度と見積もっておいたほうが無難です。
年金額
= 平均月収 × 5/1000 × サラリーマン期間(月数)
= 平均年収 × 5/1000 × 勤続年数
= 平均年収 ÷ 200 × 勤続年数
平均年収が 500万円で、35年間勤めた人の場合、老齢厚生年金の目安は
500万円 ÷ 200 × 35年 = 875,000円
となります。
老齢基礎年金 約750,000円を合わせると、年収 1,625,000円 です。
配偶者の老齢基礎年金も合わせると、世帯年収は 約 2,400,000円になります。
サラリーマン時代の平均年収 | 単身者 | 夫婦 |
---|---|---|
300万円 | 128万円 | 203万円 |
500万円 | 162万円 | 240万円 |
700万円 | 198万円 | 273万円 |
夫婦の場合、妻は満額の老齢基礎年金のみと仮定
退職金も、重要な老後生活資金になります。退職金の制度設計や金額は企業によって大きく異なりますので、勤め先の規定をよく確認する必要があります。
勤続年数 | 管理・事務・技術職 | 現業職 | |
---|---|---|---|
大学卒 | 高校卒 | 高校卒 | |
20~24年 | 968万円 | 646万円 | 565万円 |
25~29年 | 1,286万円 | 857万円 | 694万円 |
30~34年 | 1,869万円 | 1,201万円 | 1,158万円 |
35年以上 | 2,281万円 | 1,929万円 | 1,620万円 |
平均 | 2,026万円 | 1,606万円 | 1,123万円 |
「退職給付額」は、退職一時金制度のみの場合は退職一時金額、退職年金制度のみの場合は、年金現価額、退職一時金制度と退職年金制度併用の場合は退職一時金額と年金現価額の計である。
「常用労働者が30人以上の民営企業」が対象。
出所:厚生労働省 「平成20年就労条件総合調査結果の概況」
企業によっては、退職金に加え、企業年金を支給してくれるところもあります。自社の規定を確認しておきましょう。
医療費がかさんだ場合、一定額以上は払わなくてよくなる「高額療養費制度」という制度があります。この制度により、医療費負担はかなり軽減されます。
ただし、差額ベット代や高度先進医療など、対象にならないものもあるので注意が必要です。
介護が必要になった際、ヘルパーの費用や福祉用具の購入などが必要になりますが、公的介護保険から、一定の給付が受けられます。
給付額には上限があり、上限を超える部分は自己負担となります。上限額は、介護が必要な度合い(要介護度)によって異なります。
民間保険会社が販売する保険には、医療費を保障するものや、介護費用を保障するものもあります。
これらに加入していれば、医療費や介護費用の負担は大きく軽減されます。