記事紹介2018年02月12日

賃貸か、持ち家か… 一般的な比較ではわかりにくい生涯コストを「年齢別」で考える 

■賃貸住宅と持ち家の生涯コストは条件によって違う

憧れのマイホーム。すでに実現した方も、これから実現する方もいるでしょう。

賃貸住宅と持ち家の生涯コストの比較はよく語られますが、住宅販売会社の出す一般的な比較は、だれにでも当てはまるわけではありません。

仮に80年生きるとして、25歳ごろ、結婚と同時に家を買うとそこから55年、住み続けるにはどこかで必ずリフォームが必要になります。

また、子どもが多くなれば手狭になってしまうこともあるでしょう。

マイホームを売って新しい家を買うとなると、手間もものすごくかかりコストもかかってきます。

35歳ごろ、子どもが産まれてから住宅を購入すれば、間取りなどで苦悩することはないかもしれません。

しかしながら、進学などで子どもが出ていくことを考えると、そこから子どもと一緒にいる時間は何年になるでしょうか。

子どもが出て行ったあとは、日ごろ使う住居スペース当たりの単価は高くなりがちです。

45歳ごろに家を購入するという場合であれば、子どもの部屋を作っても、そこに暮らす時間はもっと短くなってしまうかもしれません。

また、定年などで、別の場所に移り住むということが、検討しにくくなる場合もあります。

このように、賃貸住宅と持ち家の生涯コストは条件によって違うのです。


■25歳、35歳、45歳でマイホームを持つ場合の賃貸とのコスト比較

マイホームの価格を3,000万とします。

マイホームを持てば、固定資産税(年間約12万と仮定)が発生しますが、そこは賃貸の場合の駐車場代(月1万で年間12万円)と割愛します。

また、居住スペースが広くなる分、光熱費などが高くなることもありますが、最近では太陽光発電などで光熱費を削減できる場合があるので、考慮に入れません。

月に10万の賃貸住宅に住む場合、年間の家賃は120万です。


●25歳でマイホームを購入した場合
25歳でマイホームを購入した場合と比較してみます。

80歳まで一律とした場合、55年間で6,600万になり、マイホームを2回建築できる計算になります。

定年までの35年を賃貸とすると4,200万になり、これも賃貸の方がお金のかかる計算にはなります。

ちなみに、月に5万の賃貸住宅の場合は、この半分となり、80歳までの55年で3,300万、定年までの35年間で2,100万となり、逆に賃貸の方が安くなります。

リフォームコストを考慮に入れると、賃貸住宅の費用によっては、賃貸住宅の方がコストがかかりません。


●35歳でマイホームを購入した場合
35歳でマイホームを購入した場合での比較は、80歳まで月10万の賃貸住宅に住むと仮定すると、45年間で5,400万、定年までの25年では3000万です。

35歳でマイホームを購入すると、定年まで月10万の賃貸住宅の場合、賃貸に払う価格と同じ価格でマイホームに住めるということになります。

月に5万の賃貸の場合は、この半分の2,700万と1,500万となります。

●45歳でマイホームを購入した場合
45歳の場合は、80歳までの35年間を賃貸とすると4,200万、定年までの15年であれば、1,800万です。

こちらも月に5万であれば、その半分の2,100万と900万となります。

ちなみにマイホームは築30年もたつとメンテナンスを行う必要が出てきます。


●リフォームの必要性も考慮
トイレや外壁や屋根、給湯器は約10~15年

キッチン、お風呂、洗面台、フローリングは約20~25年

部分的なリフォームでも約200~500万円

これらのリフォームの必要が出てくると言われ、築30年のリフォームの費用の相場は全体のリフォームでは約1,200~1,400万円ほどかかると言われています。

これらのことも、時期と物件価格、そして何よりライフプランを考慮して、賃貸とマイフォームのどちらにコスト的効用があるか試算してみるとよいでしょう。

(マネーの達人より引用)