記事紹介2023年08月03日

企業の不動産売却理由、「老朽化」が増加

三菱地所リアルエステートサービス(株)は3日、不動産売買・有効活用・オフィス移転等の企業不動産ニーズに関するアンケート調査結果を発表した。5月22日~6月2日に同社のメルマガを購読している顧客にインターネットで調査したもので、有効回答数は274件。

企業が抱えている不動産課題については、「不動産コストの削減(賃料、維持管理費など)」の13.9%(前回調査:22年第3四半期比変化なし)を筆頭に、「老朽化対策」13.8%(同2.5ポイント増)、「働き方改革実現のためのオフィス構築」13.1%(同0.2ポイント減)が上位に。前回の調査から、大きな変動はなかったものの、「老朽化対策」や「BCP対策」(6.7%、同2.9ポイント増)が微増している。

「不動産売却検討・実施理由」については「遊休不動産の処分」が22.6%(同4.1ポイント減)と、前回と同様多に。また、「資産のオフバランス化」(14.0%、同8.2ポイント増)と「有利子負債の圧縮」(11.8%、同7.1ポイント増)は大幅に増加しており、各社B/Sの改善に努めていることがうかがえる。

「オフィス移転の検討・実施の理由」では「コスト削減」が14.4%(同0.6ポイント減)とトップ。「業務効率化・生産性向上」(13.7%、同1.3ポイント減)、「建替えや再開発による立退き」(13.7%、同7.7ポイント増)が続いた。移転理由のアウトラインをカテゴライズした構成比では「改善/強化」が37%、「効率化/削減」が39%と、前回の結果から大きな変化は見られなかった。

「オフィス移転時の面積動向」は、大幅な増床が30%(同14ポイント増)し、「やや増床」の20%(同2ポイント減)を合わせると、全体の50%を「増床」が占める結果に。出社回帰や業績好調が増床移転に影響していることがうかがえた。

(不動産流通研究所より引用)