記事紹介2023年02月14日
(独)住宅金融支援機構が14日に発表した「2022年度住宅ローン貸出動向調査」によると、金融機関の75.0%が新規の住宅ローン取り扱いに関して今後「積極的」な姿勢を取ると回答した。その方策について、そのうち6割が商品力強化と回答。金利優遇を拡充するという回答は前年より4ポイント増加している。ただし、国内景気や金利上昇による延滞リスクへの懸念も高まっていることが分かった。
調査は同年7~9月、住宅ローンを取り扱う金融機関301機関に対し、住宅ローンへの取り組み姿勢等についてアンケートを実施した。回答機関数は300機関。22年6月末時点の状況の回答を求めた。
新規の住宅ローンについての今後の取り組み姿勢は、「積極的」が75.0%(前年度比5.1ポイント増)、「現状維持」が24.3%(同5.8ポイント減)、「消極的」は0.7%(同0.7ポイント増)となった。4分の3が積極姿勢を示すなど、依然として積極的な様子がうかがえる。また、借り換えについては、「積極的」が55.3%(同0.2ポイント増)、「現状維持」が43.7%(同0.1ポイント減)、「消極的」が1.0%(同0.1ポイント減)と前年度から大きな変化はなかった。
「積極的」を選択した金融機関に方策を尋ねたところ、「商品力強化」が61.2%(同1.4ポイント減)で最も多く、以下、「営業体制強化」が42.9%(同1.0ポイント減)、「金利優遇拡充」42.0%(同4.0ポイント増)となった。
一方、住宅ローンについて懸念される問題・リスクについて聞くと、「景気低迷により延滞増加」が56.0%(同8.0ポイント増)、「金利上昇局面における延滞増加」39.7%(同9.4ポイント増)という回答割合が前年度よりも大きく増加しており、国内経済の先行き不安が回答にも表れた。
(不動産流通研究所より引用)