記事紹介2020年03月25日

よく見かけるようになった「中古住宅+リノベ済み」物件、注意点は?

中古マンションや中古一戸建ての取引が活発になってきました。デザインも設備も一新された「リフォーム済み住戸」「リノベ済み住宅」であれば、見た目は新築と同じように美しく仕上がっています。今回はリノベ済み住宅のメリットとあわせて注意点を解説します。


■マンションでも一戸建てでも「中古」の存在感が増している

マイホーム選びといえば、長らく日本では「新築住宅」が主役でした。しかし、2019年には首都圏で3万8000件超の中古マンションが取引されており、中古の一戸建ての成約件数も1万3000件を超えるなど(※1)、このところ「中古住宅」に注目が集まっています。

中古物件は、新築物件より価格が手頃なことが多く、そのコスパの良さから「マイホームの選択肢」として考える人が増えているようです。

また、最近では、中古住宅を事業者がリフォームやリノベーションを行った「リノベーション済み住宅」「リフォーム済み住宅」なども数多く流通するようになりました。そのため、今まで考えられていた下記のような「中古住宅のデメリット」が解消されるようになっているのです。


■中古マンション/戸建てのデメリット

①インテリアや外観、設備や間取りが古く、リフォームやリノベーションが必要になる

②リフォーム会社を選ぶ必要がある
(リフォーム済みなら、プロの事業者によるリフォーム済みなので、古さが一新されている。リフォーム会社を選ぶ必要もなく、契約後にすぐに新生活がおくれる)

③耐震や断熱性能に不安がある

④共有設備の劣化の可能性も
(リフォーム済みなら、リフォーム事業者による診断がされていることもあり、安心感が増す)

⑤リフォーム価格が妥当かわからない

⑥リフォームローンが必要なる

⑦諸経費がかかる

⑧住宅ローンに制約があることも
(リフォーム済みなら、すでにリフォームが行われているので価格面でも明瞭化されている)

リフォーム済み・リノベーション済み住宅では、①~④はリフォームや耐震診断などをプロの事業者に任せることができ、不安を解消しています。

また、⑤~⑧のように費用面でも明瞭になっていて、買いやすくなっているのは大きな魅力です。


■リノベーション済み住宅の注意点は?

中古住宅のデメリットを軽減してくれるリノベーション・リフォーム済み住宅ですが、もちろん注意点もあります。

①事業者の利益が上乗せされるため、「価格重視派」には不向きな場合も

②断熱や耐震性の診断・改修が適性に行われていない可能性がある

③リフォームやリノベーションの定義があいまいで、設備が入れ替えただけのことも

④構造部のトラブルなどが判断しにくい

まずは、①のお金まわりの注意点から解説しましょう。リノベーションやリフォーム済み住宅の場合、入れ替えた設備や建具などの費用の他に工事費、事業者の利益も上乗せされて価格に含まれています。
「リノベーション済み物件」では、設備を入れ替えた「リフォーム」ではなく、構造面も含めた間取りの変更や、暮らしやすさ、デザイン性を追求した本格的な住まいも多いもの。

そのため、新築や築浅の住宅と比較すれば割安ではありますが、価格だけを期待していると、「思ったほど安くない」という人もいることでしょう。また、販売価格が適正かどうか、判断しにくくなることがあります。

また、中古住宅は、個人間で取引すれば消費税がかかることはありませんが、事業者が販売すると消費税が課税されます。消費税率が10%になった今、この差にも注意したいところです。

②や③は「リフォーム済み住宅」「リノベーション済み住宅」といっても、手掛けている事業者も千差万別で、設備を入れ替えただけなのに「リノベーション」というところもあったりと、業界の定義として「リフォーム」「リノベーション」の境界があいまいなところに問題があります。

また、耐震診断や断熱改修など、命や住み心地に影響する住まいの性能なのに、業者によっては適切に診断や改修が行われていない可能性もあるのです。

また、リフォームやリノベーションが行われることにより、建物の構造部のトラブルが発見・判断がしにくくなる点もデメリットといえるでしょう。

こうしたデメリットへの対策として、屋根や外壁、屋根裏や床下などの状況を確認する「ホームインスペクション(住宅診断)」を利用し、アドバイスをもらう手が有効です。また、万一の瑕疵(かし…何らかの欠陥・不具合のこと)に備え、「既存住宅売買のかし保険(宅建業者販売タイプ)の登録事業者」を選ぶとよいでしょう。

(マイナビニュースより引用)