記事紹介2020年02月17日

【意識調査】不動産のお買い時感は過去最低!? 理由は「下落しそうだから」

住宅を購入する際、自身のライフプランや物件の状態だけでなく、不動産が「買い時」かどうかも大きな検討材料となるでしょう。しかし、将来的な金利や不動産価値の変化などは確実には分かりません。そのため、より多くの意見を聞いて参考にしたいと考える人もいるのではないでしょうか。

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会が、毎年9月23日の「不動産の日」にちなんで実施している『住宅の居住志向および購買等に関する意識調査』によると、2019年度の不動産に対する「買い時感」は、調査開始以降最低であることが分かりました。同調査は、全国の20歳以上の男女22,183人を対象に実施され、不動産に対する買い時感や中古物件への抵抗感、消費増税に伴う支援制度への評価などが明らかになっています。


■住宅の「買い時感」は減退傾向にあることが明らかに!

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会の調査によると、「不動産は買い時ですか」という質問に対して「買い時だと思う」と答えた人は13%で、リーマンショックが発生した2008年度の調査以降最も低い結果となりました。買い時だと思う理由としては、「住宅ローン減税など消費税増税支援に係る制度が拡充されているから」が51.1%と最も多く、2位が「今後、住宅ローンの金利が上昇しそうなので(今の金利が安いので)」で23.4%、3位が「不動産価値が安定または上昇しそうだから」で18%と続いています。

一方、「買い時だと思わない」と答えた人は28.9%で、2008年度の調査以降最も高い割合となっています。その理由のトップ3は、「不動産価値が下落しそうだから」26.8%、「自分の収入が不安定または減少しているから」21%、「消費税率が上がったから」16.6%でした。
そのほか、買い時が「わからない」と答えた人は、58%という結果になっています。


■一方で、住宅購入を夢見る人は増加している

「現在のお住まいに関係なく、あなたは『持家派』?『賃貸派』?どちらですか」という質問では、「持家派」と答えた人が前年度調査より0.4pt高い80.9%で、「賃貸派」の19.1%を大きく上回る結果となっています。持家を希望する理由として最も多かったのは、「家賃を支払い続けることが無駄に思えるから」53.5%でした。


■中古物件はきれいであれば候補として検討する人が多い!?

「既存住宅(中古住宅)に抵抗はありますか」という質問では、「まったく抵抗がない」と答えた人が12.7%でした。また、「きれいであれば抵抗はない」が41.3%、「売買金額と状態のバランスを見て判断する」が32.9%と、物件の状態が良ければ購入を検討しても良いと考える人が多い様子がうかがえました。

昨今、日本では空き家の増加が社会問題になっており、中古住宅の活用が推進されています。総務省が2019年4月に発表した2018年10月時点の「住宅・土地統計調査」によると、国内の空き家戸数が過去最多の846万戸に上ることが明らかになっています。さらに、国内の住宅総数における空き家の割合も過去最高の13.6%まで上昇しているようです。そのため、政府は中古住宅の活用を促す政策を導入しており、リノベーション物件などへの注目が高まっているのではないかと考えられます。


■消費増税に伴う支援制度へ関心を持つ人は多いものの、「わかりづらい」という声も…

2019年は、消費増税が大きな話題となりました。この税率の引き上げに伴い、「住宅ローン減税」や「住まい給付金」、「次世代住宅ポイント」、「贈与税非課税措置」という住宅取得のための支援制度が設けられています。このような「2019年度消費税増税に係る支援制度についてどう思いますか」という質問では、「住宅購入しないが、良い制度だと思う」が30%と最も多い結果となりました。一方で、「手続きや申請が大変そう」22.4%、「わかりづらい」22.2%といったネガティブな意識も一定数あるようです。

また、消費税の増税にあたって節約する内容としては、「食費」31.6%や「衣類費」16.9%と答えた人が目立ちました。車や家電といった大きな買い物ではなく、日々の出費をコツコツ節約する人が多い様子がうかがえます。

不動産の買い時感は減退傾向にあるものの、住宅の購入を夢見る人は多いため、今後は買い時に向けてコツコツと節約をする人が増えていくのかもしれません。購入を検討する際には、中古物件も視野に入れると良いでしょう。また、消費増税に関わる支援制度を上手く活用することも、今後住宅を購入する際の大きなポイントになりそうです。

(マイナビニュースより引用)