記事紹介2019年05月27日

一般の人も使える「JAバンク」 注文住宅なら「つなぎ融資」不要で諸経費軽減に

JAバンクは農協系の金融機関ですが、一般の方も利用できます。
そして、強固な組織力を生かして低利で資金調達し、住宅ローンでも攻勢をかけています。
今回は、JAバンクが住宅ローンに力を入れる理由を解説します。

■農家への融資は先細り傾向

JAバンクは農協系の金融機関ですので、農家の方がメインターゲットとなります。
しかし、農家の高齢化が進み、融資残高は今後の伸びが期待できません。
そこで、住宅ローン市場に参入し、一般の方を対象にした融資を伸ばすことで、今後の生き残りを図ろうと模索しています。
また、JAバンクは言い換えると農協ですが、農協はさらに都道府県単位の信用農業協同組合連合会でまとめられ、これらは政府系金融機関である農林中央金庫がたばねています。

言い換えれば、同じ政府系金融機関である、住宅金融支援機構が提供するフラット35と信用力は変わらないため、民間金融機関よりも低利で資金調達できるというメリットがあります。


■監督官庁は農林水産省という矛盾

ただ、抜本的な矛盾もはらんでいます。
住宅金融支援機構や民間金融機関が、金融庁の監督下に置かれているのに対して、JAバンクは農林水産省の監督下に置かれています。

金融庁のスタンスは、銀行再編などリストラ的なのに対し、農林水産省のスタンスは、JAバンクを守るという、保護主義的な対応です。
それ故、JAバンクに住宅ローンの案件を取られた民間金融機関からは、競争環境が公平ではないという指摘も聞かれます。


■注文住宅は「留保金制度」で使いやすく

JAバンクで有名なのは、「留保金制度」です。
これは、注文住宅への融資が多い、JAバンクならではの特徴と言えるでしょう。

通常、注文住宅では完成までに、数回の中間資金が必要になります。
メガバンクや地銀などは中間資金交付に対応していますが、ネット銀行などでは対応していない所もあります。
ただ、中間資金交付でも、その都度手続きが必要になり、そのたびに諸費用がかかります。
しかし、JAバンクの「留保金制度」を使えば、先行して土地に「土地部分と建物部分」総額の抵当権設定をすることで、その都度、総額から必要資金を融資してもらえます。
これにより、住宅ローンの契約が1本で済むとともに、つなぎ融資が不要になり、諸費用も軽減できます。


■特に注文住宅を考えている人はぜひ検討してください

地域により温度差があると思いますが、都市部でもJAバンクが存在感を増している地域も存在します。
特に注文住宅を考えている人は、JAバンクを検討してみるのも良いかもしれません。

(マネーの達人より引用)