記事紹介2019年01月25日

消費増税時の住宅購入「経過措置」って何? - 19年3月までの契約で8%適用に

たびたび延期が繰り返されてきた消費税の増税。2019年10月にいよいよ8%から10%に引き上げられます。かさむ出費に財布の紐は固くなる一方ですが、特に高い買い物はなるべく増税前に済ませておきたい、と考える人も多いことでしょう。

なかでも「一生に一度」ともいえる住宅を購入するにあたっては、消費税の負担が増税前と後で数十万円もの違いが生じてしまうので、税率引き上げの前に少しでも安く購入したいもの。税率引き上げ前に住宅を取得するコツをお教えします。


■注文住宅は3月31日までの請負契約なら8%の税率が適用

まず、注文住宅について考えていきましょう。

注文住宅の購入には、土地を探し、施工会社を決め、地盤調査が無事終わったら家の間取りや設計などを決めるという、大変時間のかかる工程を踏みます。その後、ようやく建築工事請負契約を結ぶことができ、施工が開始されます。

そこから引き渡しまで更に時間がかかります。住宅にかかる消費税は、引き渡し時の税率が適用されるのが基本。そのため、これでは10月の増税のタイミングより前の引き渡しは到底間に合わないように思えるでしょう。

ここで朗報なのが、注文住宅に関しては「経過措置」として、政府による増税に伴う特例が課されているということ。この経過措置が適用されることで実は注文住宅を購入するのは今からでも遅くないといえます。この経過措置では、引き渡し時点ではなく、請負契約の時期に応じて税率が決まることになります。具体的なスケジュールを見ていきましょう。

ポイントは、新税率に変わる半年前まで、つまり2019年3月31日までに「建築工事請負契約」を結ぶこと。この日までに請負契約を結べば、たとえ引き渡しが増税後になってしまっても、旧税率8%が適用されます。2019年4月1日以降に請負契約をし、増税前である9月末日までに引き渡しが済んでいる場合も、もちろん同様に8%の消費税率が適用されます。それ以外のスケジュールになると10%の消費税率が適用されることになります。

注文住宅の購入を検討している場合は、2019年3月31日がポイントになります。


■建売住宅や新築マンションにも一部特例措置がある

このような特例措置の対象となるのはあくまでも請負契約を結ぶ取引のため、建売住宅や新築分譲マンションの売買契約には適用されません。ただし、建売住宅や新築分譲マンションの購入であっても経過措置が適用される場合があります。

対象となるのは、フローリングや壁紙、扉のタイプやデザインなどを自由に選択できるようなオプションがついているもの。それであれば、注文住宅同様、その設備に関する工事の契約は請負契約となるので、経過措置が適用され、2019年3月31日までに契約を完了していれば、2019年10月1日以降の引き渡しとなっても、8%の税率が適用されます。


■中古住宅の場合はどうなる?

それでは中古住宅ではどのようなスケジュールになるのでしょうか?

中古住宅の場合、個人同士での直接の売買なのか、個人同士の売買を不動産業者が仲介しているのかによって、消費税増税の影響が変わります。

実は、個人が中古住宅(マンションを含む)を売買するにあたっては消費税が発生しないため、増税前までに購入を急ぐ必要はありません。ただし、間を不動産会社が取り持っていた場合、その仲介手数料には消費税が課されているために増税の影響を受けることになります。

一般的に、仲介手数料は【(住宅価格の3%+6万円)+消費税】が上限と定められています。新築住宅にかかる消費税よりは安く済みますが、少しでも節約したいという場合は、売買契約を2019年9月30日までに完了させましょう。


■リフォームの場合の消費税率と経過措置はどうなる?

リフォームの場合にも、費用について同様に消費税が課されます。税率はこちらも引き渡し時点(工事完了)の税率です。

リフォームの場合も新築住宅同様、工事に時間がかかるものもあります。そのため2019年3月31日までの請負契約には経過措置が適用されます。なお、消費税10%となる2019年10月1日直前にリフォーム工事を実施するようなケースで、天候等により工事が遅れ、引き渡し時期が10月1日以降になってしまい、10%の消費税率が適用されるといった可能性も考えられます。

このようなケースでの増税分の負担についてはトラブルにつながる可能性があるので、ギリギリになりそうな場合は事前に確認しておくと良いでしょう。

家を買いたい人は早めの契約が安心!住宅購入は計画的に・・・ 住宅の購入は一生に一度の買い物と言われるように金額が大きいので、後悔の無いように計画を立てて、準備を万全にしなければなりません。10%の増税まで1年を切っています。住宅購入のスケジュールによっては、準備しなくてはならないお金の額が変わってきます。住宅購入を検討している場合は、負担増になる前に物件が見つけられるように、早めに計画を立てるのが良さそうです。

(マイナビニュースより引用)